セキュアサーバーパッケージのインストールの間にApacheをアップグレードする場合は、次の2つの問題を認識する必要があります。
Red Hat Linux 7.1に含まれるバージョンのApacheでは、 DocumentRoot が /var/www/html に設定されています。
Apache設定ファイル( httpd.conf )がカスタマイズされている場合は、アップグレードプロセス中にカスタマイズした箇所がどうなるのかを知りたいでしょう。
基本的に、 DocumentRoot はシステム内のディレクトリであり、その中にはApache Webサーバーが提供するWebページのほとんどが含まれています。DocumentRoot Apache設定ファイルである httpd.conf の中の1つの設定ディレクティブによって設定されています。DocumentRoot 設定ディレクティブに詳しくない場合は、the section called DocumentRoot in Chapter 14の詳細な説明を参照してください。
Red Hat Linuxが提供するApacheは、Red Hat Linux 7.0が使用する前に /home/httpd/html を DocumentRoot として使用しています。Apache設定ファイルのデフォルト(セキュアでない)バージョンでは、 DocumentRoot は /usr/local/apache/htdocs と設定されています。あなた(または前任者)がまったく異なる DocumentRoot を使用していた、ということもあり得ます。重要なポイントは、現在のRed Hat Linux 7.1では DocumentRoot がデフォルトで /var/www/html と設定されていることです。
このことは重要な問題でしょうか? 異なる DocumentRoot を持つApacheを使用し、かつ新しいApacheの設定によって同じWebページを配信しようとするときに大きな問題となります。異なる DocumentRoot から配信された以前のWebページは、Red Hat Linux 7.1に同梱されているApacheには、デフォルトの設定のままでは検出(または受信)されません。この問題は、以下のようにして解決する必要があります。
古い DocumentRoot ( /home/httpd/html 、 /usr/local/apache/htdocs 、その他)に含まれているすべてのファイルを、新しい DocumentRoot ( /var/www/html )に移動するか
または
Apache設定ファイルを編集し DocumentRoot を参照している場所をすべて変更して、古いディレクトリパスに戻します。
どの解決策を選択するかは、システムの構成によって異なります。一般に、システムで /home を自動マウントしている場合は、 DocumentRoot を /home の中にを設定したくないでしょう。一方、 /var の中にあまり余裕がない場合は、おそらく DocumentRoot を /var の中に設定したくないでしょう。システム管理者は、システムの設定とWebサーバーのニーズに応じて解決策を決める必要があります。セキュアWebサーバーのデフォルト設定は、ほとんどのウェブマスターのニーズに対応することを目的としています。しかし、弊社としても個々のウェブマスターの状況のすべてに適した設定を行うことはできません。
すでに別バージョンのApacheをインストールして、その設定ファイルをカスタマイズしてある場合は、Apacheのインストール中に、それらのファイルに .rpmsave という拡張子が付けられ、元のディレクトリに保存されます。別バージョンのApacheをインストールしてあるものの、その設定ファイルを変更したことがない場合は、本製品のインストール中にそれらのファイルが上書きされることになります。
Apacheをインストールした後で、古いApacheの設定ファイルから、カスタマイズした内容を新規インストールしたセキュアサーバー用の httpd.conf 設定ファイルにカット&ペーストすることができます。Apache設定ツールを使用するときは、 httpd.conf を手作業で編集してはならないことに注意してください。Apache設定ツールの詳細については、 オフィシャル Red Hat Linux カスタマイズガイド を参照してください。