Chapter 11. Apacheの設定

 Apache設定ツールを使用するには、X Window Systemとrootアクセス権が必要です。Apache設定ツールは、次のいずれかの方法で起動できます。

Importanthttpd.confを編集しないでください
 

設定ツールを使用する場合は、/etc/httpd/conf/httpd.conf Apache設定ファイルを編集しないでください。Apache設定ツールは、変更内容を保存しプログラムを終了した後に、設定ファイルを生成します。Apache設定ツールに対応していないモジュールや設定オプションを追加する場合、このツールは使用できません。

 Apache設定ツールを使うと、Apache Webサーバー対応の/etc/httpd/conf/httpd.conf設定ファイルを作成できます。旧版のsrm.confaccess.confといった設定ファイルは使用しません。これらのファイルは空のまま残されます。グラフィカルインターフェイスを通じて、仮想ホスト、ログ属性、最大接続数などのApacheディレクティブを設定できます。

 Apache設定ツールを使って設定できるのは、Red Hat Linuxに同梱のモジュールだけです。追加のモジュールがインストールされている場合は、このツールを用いてそれらを設定することはできません。

 Apache設定ツールを使用してApache Webサーバーを設定する一般的な手順は次のとおりです。

  1. [Main]タブで基本設定値を設定します。

  2. [Virtual Hosts]タブをクリックし、デフォルト設定値を設定します。

  3. [Virtual Hosts]タブで、デフォルト仮想ホストを設定します。

  4. 複数のURLや仮想ホストを提供したい場合は、その分の仮想ホストを追加します。

  5. [Server]タブでサーバー設定値を設定します。

  6. [Performance Tuning]タブで接続設定値を設定します。

  7. 必要なファイルをすべてDocumentRootディレクトリとcgi-binディレクトリにコピーし、Apache設定ツール内の設定値を保存します。

基本設定値

 [Main]タブで、サーバーの基本設定値を設定します。

Figure 11-1. 基本設定値

 [Server Name]テキストエリアに使用権限をもっているドメインの完全修飾ドメイン名を入力します。このオプションは、httpd.conf内のServerNameディテクティブに相当します。ServerNameディレクティブは、Webサーバーのホスト名を設定します。このサーバー名は、URLへのリダイレクションを作成するときに使用されます。サーバー名を定義しなかった場合、ApacheはシステムのIPアドレスを基に名前解決を試みます。サーバー名が、サーバーのIPアドレスを基に解決されたドメイン名と一致している必要はありません。たとえば、サーバーの実際のDNS名がfoo.your_domain.comであっても、サーバー名としてwww.your_domain.comを指定することができます。

 [Webmaster email address]テキストエリアには、Webサーバーの管理者のeメールアドレスを入力します。このオプションは、httpd.conf内のServerAdminディレクティブに相当します。サーバーのエラーページにeメールアドレスを表示するように設定すると、このeメールアドレスが使用されます。したがって、ユーザーはサーバーの管理者にeメールを送信して、問題を報告することができます。デフォルト値は、root@localhostです。

 [Available Addresses]エリアには、着信した要求を受け取るApache上のポートを定義します。このオプションは、httpd.conf内のListenディレクティブに相当します。Red Hatのデフォルト設定では、Apacheは非セキュアWeb通信用のポート80とポート8080を監視します。[Add]ボタンをクリックすると、要求を受け入れる追加ポートを定義できます。Figure 11-2に示すようなウィンドウが開きます。定義済みポートのすべてのIPアドレスを監視するには[Listen to all addresses]オプションを選択します。また、[Address] フィールドに指定された接続を許容するサーバーを介して特定のIPアドレスだけを監視する場合は、対象のIPアドレスを指定します。ポート番号ごとに1つのIPアドレスしか指定できません。同じポート番号に複数のIPアドレスを指定したい場合は、各IPアドレスのエントリを作成します。完全に可能であれば、ドメイン名の代わりにIPアドレスを使用して、DNSルックアップ障害を防ぐことができます。DNSとApacheに関連する問題について詳しくは、http://httpd.apache.org/docs/dns-caveats.htmlを参照してください。[Address]フィールドにアスタリスク(*)を入力すれば、[Listen to all addresses]を選択した場合と同様に動作します。[Edit]ボタンをクリックすると、選択したエントリに対応するフィールドが表示される点を除いて、[Add]ボタンをクリックしたときと同じウィンドウが開きます。エントリを削除するには、対象のエントリを選択し、[Delete]ボタンをクリックします。

Figure 11-2. 使用可能なアドレス

Tipヒント
 

1024より小さい番号のポートを監視するようにApacheを設定する場合は、rootとしてApacheを起動しなければなりません。番号が1024以上のポートの場合は、一般のユーザーとしてhttpdを起動できます。