4.6. 画像の挿入

画像の挿入は、どういうメディアで文書を公開する場合でも必要なものです。

TeX フォーマットを使うなら、PostScript ファイルのイメージが必要です。 オンラインで公開するなら、JPGGIFPNG といった一般的なイメージファイルが使えます。

画像を挿入する一番簡単な方法は、属性 fileref を使うことです。通常、画像は、JPG や PostScript (PS もしくは EPS) で生成されます。

Example 4-5. 画像の挿入

<figure>
   <title>Picture's Title</title>
   <graphic fileref="images/file"></graphic>
</figure>

<figure><informalfigure> に置き換えると、画像のタイトルを入れる必要がなくなり ます。

さらに、属性 float があり、 この値として 0 を指定すると、画像は、文の流れに沿った 正確な位置に置かれます。値として 1 を指定すると、 より適切と考えられるところに画像が動かされて、その位置に置かれます。 (この位置は、スタイルシートに記述されている場合があるし、もしくは使用する アプリケーションによって管理されている場合もあります。)

4.6.1. 上記以外の方法

Example 4-5 以外の方法として、<figure><informalfigure> を使わない方法もあります。

他にも、画像が使えないメディアで公開しようとする場合、興味深い代替 措置として、<imageobject> ラッパーを 使う方法があります。

Example 4-6. <imageobject>の使い方

<figure>
   <title>Title</title>
   <mediaobject>
      <imageobject>
         <imagedata fileref="images/file.eps" format="eps">
      </imageobject>
      <imageobject>
         <imagedata fileref="images/file.jpg" format="jpg">
      </imageobject>
      <textobject>
         <phrase>この部分には、この例での画像が置かれています。</phrase>
      </textobject>
      <caption><para>画像による説明(オプション)</para></caption>
   </mediaobject>
</figure>

次のようなフォーマットのファイルが使えます。 BMP, CGM-BINARY, CGM-CHAR, CGM-CLEAR, DITROFF, DVI, EPS, EQN, FAX, GIF, GIF87A, GIF89A, IGES, JPEG, JPG, LINESPECIFIC, PCX, PIC, PS, SGML, TBL, TEX, TIFF, WMF, WPG.

この方法には、より適切にアプリケーションを管理できるという利点があり ます。<imageobject> エレメントは、利用可能な フォーマットが見つかるまで順番にテストされ、出力フォーマットとして画像を サポートしていない場合は、<textobject> エレメントが使用されます。しかし、Example 4-6 形式を使う最大の利点は、DocBook のリリース 5.0 では、 <graphic> エレメントは存在しなくなるという 点です。

欠点としては、同じひとつの情報を表現するためにいくつものコードを必要と するという点です。文書内にイラストや写真を入れるのにどちらを使うかは文書 制作者しだいですが、将来のバージョンとの互換性からすると、僕として は、画像の挿入方法としてこちらを推奨します。