画像の挿入は、どういうメディアで文書を公開する場合でも必要なものです。
TeX フォーマットを使うなら、PostScript ファイルのイメージが必要です。 オンラインで公開するなら、JPG や GIF、 PNG といった一般的なイメージファイルが使えます。
画像を挿入する一番簡単な方法は、属性 fileref を使うことです。通常、画像は、JPG や PostScript (PS もしくは EPS) で生成されます。
Example 4-5. 画像の挿入
<figure> <title>Picture's Title</title> <graphic fileref="images/file"></graphic> </figure> |
<figure> を <informalfigure> に置き換えると、画像のタイトルを入れる必要がなくなり ます。
さらに、属性 float があり、 この値として 0 を指定すると、画像は、文の流れに沿った 正確な位置に置かれます。値として 1 を指定すると、 より適切と考えられるところに画像が動かされて、その位置に置かれます。 (この位置は、スタイルシートに記述されている場合があるし、もしくは使用する アプリケーションによって管理されている場合もあります。)
Example 4-5 以外の方法として、<figure> や <informalfigure> を使わない方法もあります。
他にも、画像が使えないメディアで公開しようとする場合、興味深い代替 措置として、<imageobject> ラッパーを 使う方法があります。
Example 4-6. <imageobject>の使い方
<figure> <title>Title</title> <mediaobject> <imageobject> <imagedata fileref="images/file.eps" format="eps"> </imageobject> <imageobject> <imagedata fileref="images/file.jpg" format="jpg"> </imageobject> <textobject> <phrase>この部分には、この例での画像が置かれています。</phrase> </textobject> <caption><para>画像による説明(オプション)</para></caption> </mediaobject> </figure> |
次のようなフォーマットのファイルが使えます。 BMP, CGM-BINARY, CGM-CHAR, CGM-CLEAR, DITROFF, DVI, EPS, EQN, FAX, GIF, GIF87A, GIF89A, IGES, JPEG, JPG, LINESPECIFIC, PCX, PIC, PS, SGML, TBL, TEX, TIFF, WMF, WPG.
この方法には、より適切にアプリケーションを管理できるという利点があり ます。<imageobject> エレメントは、利用可能な フォーマットが見つかるまで順番にテストされ、出力フォーマットとして画像を サポートしていない場合は、<textobject> エレメントが使用されます。しかし、Example 4-6 形式を使う最大の利点は、DocBook のリリース 5.0 では、 <graphic> エレメントは存在しなくなるという 点です。
欠点としては、同じひとつの情報を表現するためにいくつものコードを必要と するという点です。文書内にイラストや写真を入れるのにどちらを使うかは文書 制作者しだいですが、将来のバージョンとの互換性からすると、僕として は、画像の挿入方法としてこちらを推奨します。