システムセキュリティの重点は、一般的なセキュリティポリシーにもよりますが、ユーザーやグループが必要以上のことを行えないようにするという点にあります。アクセスや特権の制御に関連する日常の変更の大半は、ユーザーやグループのまわりで適切に行われています(ユーザーとグループの作成と設定の詳細については、Chapter 2を参照してください)。
しかし、Red Hat Linuxを使用している多くの組織には、アプリケーションやシステムデバイスへのアクセスを向上したり制限するためにさらに厳しいセキュリティや特別な設定を必要とする、企業なりのガイドラインや作業環境があります。ここでは、組織の状況に基づいてユーザーに適切なレベルのアクセスと特権を与えるようにシステムを調整する方法について説明します。
マルチユーザー環境にいてPAMまたはKerberosを使用していない場合は、システムの認証ファイルために高度な保護を提供するシャドウユーティリティ(シャドウパスワードという)の使用を考慮すべきです。Red Hat Linuxのインストール時は、MD5 パスワード(システム上の保存のためのパスワードを暗号化する代替的で安全性の高い方法)と同様に標準でシステムのシャドウパスワード保護が有効になります。
シャドウパスワードには、次のように、UNIXシステムとLinuxシステム上にパスワードを保存するこれまでの標準的な方法より優れているいくつかの利点があります。
暗号化されたパスワード(/etc/passwd内に通常見られるもの)をrootしか読み取れない/etc/shadowに移動することで向上したシステムセキュリティ
パスワードの老朽化(パスワードが最後に更新されてからの期間)に関連する情報
ユーザーがパスワードの変更を要求されるまでパスワードを変更しないでよい期間の管理
/etc/login.defsファイルを使用して特にパスワードの老朽化に関するセキュリティポリシーを設定する機能
shadow-utilsパッケージには、次の内容をサポートする多数のユーティリティがあります。
通常のパスワードからシャドウパスワードへの変換とその逆の変換(pwconv、pwunconv)
パスワードファイル、グループファイル、それらに関連するシャドウファイルなどの検証(pwck、grpck)
ユーザーアカウントの追加、削除、変更などの業界標準の方法(useradd、usermod、userdel)
ユーザーグループの追加、削除、変更などの業界標準の方法(groupadd、groupmod、groupdel)
gpasswdを使用して/etc/groupファイルを管理する業界標準の方法
注意 | |
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これらのユーティリティに関する要点がさらにいくつかあります。
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