RPMは、システム管理や問題の診断と修正を行う上で便利なツールです。すべてのオプションを理解するには、いくつかの例を実際に見るのが最もよい方法です。
誤って何らかのファイルを削除してしまったものの、何を削除したかがわからないとします。システム全体を検証して足りないものを調べたい場合は、以下のコマンドを試すことができます。
rpm -Va |
足りないファイルがあるか、壊れているファイルがあるように感じる場合は、おそらくパッケージを再インストールするか、いったんアンインストールして再インストールする必要があります。
所属先のわからないファイルを見つけたとします。そのファイルが含まれるパッケージを検索するには、以下のように入力します。
rpm -qf /usr/X11R6/bin/ghostview |
出力は以下のようになります。
gv-3.5.8-10 |
上記2つの例を組み合わせることもできます。/usr/bin/pasteに問題があるとします。このプログラムが含まれるパッケージを検証しようにも、pasteがどのパッケージに含まれるかがわかりません。このような場合は以下のように入力すると、適切なパッケージが検証されます。
rpm -Vf /usr/bin/paste |
特定のプログラムについて詳細な検索をしたい場合は、以下のように入力することで、そのプログラムが含まれるパッケージに同梱されるドキュメンテーションの場所を検索することができます。
rpm -qdf /usr/bin/md5sum |
出力は以下のようになります。
/usr/share/doc/textutils-2.0a/NEWS /usr/share/doc/textutils-2.0a/README /usr/info/textutils.info.gz /usr/man/man1/cat.1.gz /usr/man/man1/cksum.1.gz /usr/man/man1/comm.1.gz /usr/man/man1/csplit.1.gz /usr/man/man1/cut.1.gz /usr/man/man1/expand.1.gz /usr/man/man1/fmt.1.gz /usr/man/man1/fold.1.gz /usr/man/man1/head.1.gz /usr/man/man1/join.1.gz /usr/man/man1/md5sum.1.gz /usr/man/man1/nl.1.gz /usr/man/man1/od.1.gz /usr/man/man1/paste.1.gz /usr/man/man1/pr.1.gz /usr/man/man1/ptx.1.gz /usr/man/man1/sort.1.gz /usr/man/man1/split.1.gz /usr/man/man1/sum.1.gz /usr/man/man1/tac.1.gz /usr/man/man1/tail.1.gz /usr/man/man1/tr.1.gz /usr/man/man1/tsort.1.gz /usr/man/man1/unexpand.1.gz /usr/man/man1/uniq.1.gz /usr/man/man1/wc.1.gz |
新しいRPMパッケージが見つかったものの、それが何であるかがわからないとします。何らかの情報を検索するには、以下のコマンドを使用します。
rpm -qip sndconfig-0.48-1.i386.rpm |
出力は以下のようになります。
Name : sndconfig Relocations: (not relocateable) Version : 0.48 Vendor: Red Hat Release : 1 Build Date: 2000年08月25日 01時13分10秒 Install date: (none) Build Host: porky.devel.redhat.com Group : アプリケーションマルチメディア Source RPM: sndconfig-0.48-1.src.rpm Size : 461734 License: GPL Packager : Red Hat <http://bugzilla.redhat.com/bugzilla> Summary : Red Hat Linuxのサウンド設定ツール sndconfig は、Red Hat Linux システムでサウンドカードを使用する際に 必要な設定ファイルを設定するための、テキストベースのツールです。 sndconfig を使用すれば、/dev/dsp、/dev/audio および /dev/mixer デバイスを使用するプログラムのために、適切なサウンドのタイプを設定す ることができます。サウンドの設定は、ランレベルスクリプトの aumix と sysV によって保存されます。 |
次に、sndconfigというRPMによってどのファイルがインストールされるのかを調べます。以下のように入力します。
rpm -qlp sndconfig-0.48-1.i386.rpm |
出力は以下のようになります。
/usr/sbin/pnpprobe /usr/sbin/sndconfig /usr/share/locale/cs/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/da/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/de/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/es/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/fr/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/hu/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/id/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/is/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/it/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/ko/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/no/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/pt/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/pt_BR/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/ro/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/ru/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/sk/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/sl/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/sr/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/sv/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/tr/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/locale/uk/LC_MESSAGES/sndconfig.mo /usr/share/man/man8/pnpprobe.8.gz /usr/share/man/man8/sndconfig.8.gz /usr/share/sndconfig/sample.au /usr/share/sndconfig/sample.midi |
以上がいくつかの例です。使用するにつれて、RPMの用途がたくさんあることに気づくでしょう。