Red Hat Linux 7.1は初の世界統合リリース版ですが、日本語の入力、表示等の日本語環境についても十分なサポートがなされています。以下では特に日本語環境に特化した話題について簡単にご紹介します。
一般に GNU/Linux システム上で日本語入力を行うためには日本語の仮名漢字変換サーバと入力プログラムが必要となります。Red Hat Linux 7.1の場合は、標準の仮名漢字変換サーバは Canna というプログラムで入力プログラムは kinput2 となっています。そして以下では、特に言及しない限りこの標準の設定を利用した場合についての説明となります。
インストールの際にシステムの言語環境として日本語を選択なさっておいでなら、標準で kinput2 が自動的に起動し X Window System 上での日本語入力が可能となっています。
例えば gnome-terminal を起動してShift+Space(両方のキーを同時に押します)で日本語入力モードになります。再度Shift+Spaceを押すと通常の入力モードに戻ります。主な日本語入力の際のキー操作は次のとおりとなっています:
Table 20-1. Canna/Kinput2 のキー操作
Shift+Space | 日本語、英語入力モードの切替 |
SpaceまたはCtrl+w | 仮名漢字変換または次候補 |
Ctrl+m、またはEnter | 確定 |
Ctrl+i | 変換する文節を一文字収縮 |
Ctrl+o | 変換する文節を一文字伸張 |
Ctrl+g | 操作(変換、入力など)の中止 |
Ctrl+fまたは→ | 次の文節か文字、あるいは次候補を選択 |
Ctrl+bまたは← | 前の文節か文字、あるいは前候補を選択 |
Ctrl+pまたは↑ | 字種の変更 |
Ctrl+nまたは↓ | 字種の変更 |
Ctrl+a | 文字列の先頭、あるいは列の先頭の変換候補を選択 |
Ctrl+e | 文字列の一番後ろ、あるいは列の一番後ろの変換候補を選択 |
Emacs は強力な"エディタ"であり、内部に日本語入力を支援するための機能を含んでいます。そのために kinput2 を起動することなしに日本語入力が可能です。
Emacs で日本語を入力するにはまずCtrl+\を押します。Emacs の日本語入力仮名漢字変換サーバも標準では canna となっています。入力の際の操作は既に述べた X Window System 上での操作方法とほぼ同じですが、一部異なる部分もあります: