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30. 付録 J: 例 4: ドライブ 4 台のサーバ

ここでは、 これまでに述べてきたすべてのテクニック (RAID 以外) をすべて使っています。 確かに少々複雑ですが、普通のハードウェアから高い性能を引き出すことができます。 実際に割り当てた大きさは省略しますが、 前の例から適当な大きさを見積もることができると思います。

Partition       sda             sdb             sdc             sdd
                ----            ----            ----            ----
        1       root            overview        lib             news
        2       swap            swap            swap            swap
        3       home            /usr            /var/tmp        /tmp
        4                       spare root      mail            /var

この設定はトラックの配置・ドライブシークのいずれに対しても 最適化されています。

DOS や Windows も使いたい場合は、 sda1 をあてがってやる必要があります。 その後他のパーティションを移動させます。 スワップパーティションである sdb2, sdc2, sdd2 は、 Windows セッションの間は Windows のスワップや TEMPDIR、 Windows 自身の一時ディレクトリなどに利用できると効率が良いでしょう。 一台のマシンに複数の OS を共存させる方法については、 他にたくさんの HOWTO が出ています。

完全を期すために、いくつかのタイプの RAID を用いた 4 台構成のシステムについても以下に例を与えておきましょう。 上の例よりもさらに複雑な構成になっています。

Partition       sda             sdb             sdc             sdd
                ----            ----            ----            ----
        1       boot            overview        news            news
        2       overview        swap            swap            swap
        3       swap            lib             lib             lib
        4       lib             overview        /tmp            /tmp
        5       /var/tmp        /var/tmp        mail            /usr
        6       /home           /usr            /usr            mail
        7       /usr            /home           /var
        8       / (root)        spare root

ダブっているものは、すべて RAID 0 のセットです。ただし swap は例外で、 これはインターリーブされている swap パーティションです。 home と mail は、安全のために RAID 1 として構成されています。

boot と root が分離されていることに注意してください。 boot ファイルとカーネルは 1023 シリンダよりも低位に置く必要があります。 残りの root のファイルはどこにおいてもかまいません。 ここでは最も低速な最内周のパーティションに配置しています。 わかりやすさと安全性のため、 root パーティションは RAID システムにはしていません。

このような複雑な設定では fstab ファイルも複雑になります。 パーティションの数が増えると、 fsck を正しい順序で行わせることが大事になってきます。 下手な設定では、 最適な設定に比べて 10 分以上遅くなってしまうこともあり得ると思います。


/dev/sda8       /               ?       ?               1 1 (a)
/dev/sdb8       /               ?       noauto          1 2 (b)
/dev/sda1       boot            ?       ?               1 2 (a)
/dev/sdc7       /var            ?       ?               1 2 (c)
/dev/md1        news            ?       ?               1 3 (c+d)
/dev/md2        /var/tmp        ?       ?               1 3 (a+b)
/dev/md3        mail            ?       ?               1 4 (c+d)
/dev/md4        /home           ?       ?               1 4 (a+b)
/dev/md5        /tmp            ?       ?               1 5 (c+d)
/dev/md6        /usr            ?       ?               1 6 (a+b+c+d)
/dev/md7        /lib            ?       ?               1 7 (a+b+c+d)

括弧の内部の文字は、 それぞれの fsck のパスでどのドライブが使われているかを示します。 これらの文字は実際の fstab ファイルには書いてはいけません。 結局 7 段階のパスを使うことになりました。


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