Chapter 5. Credit Card Verification System( CCVS )の基礎

 Credit Card Verification System( CCVS )は、コンピュータとモデムを使用することによってクレジットカード決済端末機をシミュレートするもので、POSPoint of Sale )端末としても知られています。スタンドアロン製品である CCVS には、サードパーティアプリケーションやデータベース製品との統合、カスタマイズを促進するいくつかのAPI(Application Programming Interfaces)が含まれています。

 CCVSは、安全かつ使いやすいものです。 ANSI Cで書かれ、POSIX標準に準拠する CCVS は、移植可能であり、最新のオペレーティングシステム、プログラミング言語、そしてインターネットと簡単に統合できるように設計されています。 簡単にスクリプトやプログラムを作成できるように設計されているため、 CCVS を使用すれば、バッチ処理を自動化したり、またはクレジットカードの処理を必要とするアプリケーションの機能を拡張したりすることができます。

 CCVS がサポートするプロトコルのいずれかを銀行や商用サービスの代行業者が採用していれば、米国以外の国でも CCVSを使用することができます。 カナダの場合、 CCVSはNDCプロトコルをサポートしています。カナダの銀行は、このプロトコルを使用することにより、店舗口座を設定することができます。 米国またはカナダ以外の国の場合は、商用サービスの代行業者に確かめる必要があります。 CCVSによってサポートされるプロトコルのうち、米国以外の金融機関によってサポートされる可能性が最も高いのは、VISA次世代「K Format」プロトコル(VITAL)です。

 Red Hat Linuxには CCVSのデモバージョンが含まれています。 デモバージョンは完全な機能を備えており、自分のシステム上で CCVSをテストするために使用できます。 デモモードでは、金融機関への接続や支払い請求の送信を除き、何でもできます。 実作業環境で CCVSを使用してクレジットカードを処理したい場合は、Red Hat社に連絡してライセンスキーを購入してください。http://www.redhat.com/products/software/ecommerce/ccvs では、 CCVSを有効化する方法を参照できます。

CCVS の利用方法

 CCVSによって、eコマースアプリケーションとクレジットカードの支払いゲートを、うまく連結することができます。 CCVSを利用する方法が、支払いゲートの使用するプロトコルに依存する場合でも、多くの場合、現行のシステムに少し変更を加えるだけで CCVSを使用できます。 ccvsがサポートする、各プロトコルについての詳しい情報はhttp://www.redhat.com/products/software/ecommerce/ccvs/support/docs/protocol-specific.htmlを参照してください。

 以下に、 CCVSの使用例を示します。

 これらは、 CCVS の機能のほんの一例です。 これを使えば、クレジットカードの処理を必要とする操作の任意の側面を強化することができます。 CCVSの持つ多くの機能には、以下のものが含まれます。