誰かが LDP 文書作成の手助けをしてくれたときは、それを文書内で明らかに すべきですし、DocBook にもそのためのタグがあります。このセクションでは、そう した何らかの形で貢献者の氏名 (credit) を表示すべき場合に使うタグについて紹介 します。 まず、編集者についてなら簡単です。DocBook にはあらかじめ <editor> というのがあります。しかし、氏名を表示すべき でも DocBook に該当するタグのない特別なケースが 2 つあります。翻訳者 と コード変換者 です。
コード変換者とは、例えば HTML を DocBook SGML に変換 するなど、ソースコードの変換を行う人のことです。ソースコードの変換が 行われることで、LDP アーカイブは、メタデータの作成というこれからの目標の達成に より適したものになりますし、文書を多様な出力フォーマットで提供することができる ようになります。
翻訳者は、オリジナル文書を、例えば英語から日本語、ドイツ語から英語と いった別の地域の言語へと移し換えます。個々の翻訳文書によって、世界中のより多く の人々があなたの文書を利用できるようになりますし、Linux アーカイブの究極の野望 である、「全世界制覇 "Total World Dominion (tm)" 」にまた一歩近づくことができ ます。
以下のセクションに示すような方法で、そうした人たちや、あなたの文書作成に 貢献したそれ以外の人たちに対して、その支援内容を明らかにすることができます。
翻訳者やコード変換者の氏名を表示する場合には、<othercredit> というタグ・エントリーを使ってください。翻訳やコード変換 といったそれぞれの役割を明示するには、<othercredit> タグの <role> 属性に、"converter" (コード変換者) や "translator" (翻訳者) といった 値を設定します。これは、例えば、次のようになります。
<othercredit role='converter'> <firstname>David</firstname> <surname>Merrill</surname> <contrib>Conversion from HTML to DocBook v3.1 (SGML).</contrib> </othercredit> |
文書内には、"謝辞" (Acknowledgements) と題したセクションを 作って、そこで、その文書に意味のある貢献をしたすべての人のことを書くようにしま しょう。翻訳者やコード変換者だけでなく、多くの有意義なフィードバックを送ってく れた人や、あなたが知ろうとしていた知識を教えてくれた人、あるいは、現在の文書が 出来上がるまでに手足となって手伝ってくれた人たちなどがそれに含まれます。大部分 の著者が、文書の最後にこのセクションを置いています。
<revision> タグには階層があり、その中 に、<revremark> というタグがあります。この タグで囲んだ領域には、文書を改訂した際の簡単な覚え書きを書き込んでおくことが できます。新しいフォーマットでリリースした最初のバージョンのコメントとして コード変換者に対する謝辞を書いておいたり、翻訳者の氏名を翻訳したバージョンごと に書いておいたりすることをお薦めしたいと思います。