以下の文書は、GNU General Public License (GPL もしくは copyleft) であり、 Linux はこのライセンスに従っている。それをここに記載したのは、Linux の著作権 の内容に関するいくつかの誤解を解くためである。Linux は、シェアウェア でも、パブリックドメインソフトウェアでもない。Linux カーネルの大半は、1993 年 に Linus Torvalds が著作権を取得しており、それ以外のソフトウェアやカーネルの 部分についても、それぞれの作成者が著作権を持っている。したがって、Linux は、 著作権の設定されたソフトウェアであり、その上で、以下に示す GPL の条項のもとに 再配布が可能なのである。
(訳注: 以下は、 こちらにある八田真行さん日本語訳をお借りしました。GNU の他の文書に関 しては、 「ウェブと FTP サイト」をご覧ください。)
GNU 一般公有使用許諾書 ======================= 1991 年6 月,バージョン2 Copyright (C) 1989,1991 Free Software Foundation, Inc. 675 Mass Ave, Cambridge, MA 02139, USA
何人も、以下の内容を変更しないでそのまま複写する場合に限り、本使用許諾書を 複製したり頒布することができます。
はじめに
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ほとんどのソフトウェアの使用許諾は、ソフトウェアを共有し、変更するユーザの 自由を奪うことを意図しています。それに対して、我々のGNU 一般公有使用許諾は、 フリー・ソフトウェアを共有したり変更する自由をユーザに保証するためのもの、 即ちフリー・ソフトウェアがそのユーザ全てにとってフリーであることを保証する ためのものです。本使用許諾は、Free Software Foundation のほとんど全ての ソフトウェアに適用されるだけでなく、プログラムの作成者が本使用許諾に依ると した場合のそのプログラムにも適用することができます。(その他のFree Software Foundation のソフトウェアのいくつかは、本許諾書ではなく、GNU ライブラリ一般 公有使用許諾で保護されます。) あなたは自分のプログラムにもこれを適用できま す。我々がフリー・ソフトウェアについて言う場合は自由のことに言及しているので あって、価格のことではありません。我々の一般公有使用許諾の各条項は、次の事柄 を確実に実現することを目的として立案されています。
このようなユーザの権利を守るために、我々は、何人もこれらの権利を否定したり、 あるいは放棄するようにユーザに求めることはできないという制限条項を設ける必要 があります。これらの制限条項は、ユーザが、フリー・ソフトウェアの複製物を頒布 したり変更しようとする場合には、そのユーザ自身が守るべき義務ともなります。 例えば、あなたがフリー・ソフトウェアの複製物を頒布する場合、有償か無償かにか かわらず、あなたは自分の持っている権利を全て相手に与えなければなりません。 あなたは、相手もまたソース・コードを受け取ったり入手できるということを認めな ければなりません。さらにあなたは、彼らが自分たちの権利を知るように、これらの 条項を知らしめなければなりません。
我々は次の2つの方法でユーザの権利を守ります。(1) ソフトウェアに著作権を主張 し、(2) 本使用許諾の条項の下でソフトウェアを複製・頒布・変更する権利をユーザ に与えます。
また、各作成者や我々自身を守るために、本フリー・ソフトウェアが無保証であるこ とを全ての人々が了解している必要があります。さらに、他の誰かによって変更され たソフトウェアが頒布された場合、受領者はそのソフトウェアがオリジナル・ バージョンではないということを知らされる必要があります。それは、他人の関与に よって原開発者に対する評価が影響されないようにするためです。
最後に、どのフリー・プログラムもソフトウェア特許に絶えず脅かされています。 我々は、フリー・プログラムの再頒布者が個人的に特許権を取得し、事実上その プログラムを自分の財産にしてしまうという危険を避けたいと願っています。これを 防ぐために我々は、いずれの特許も、誰でも自由に使用できるように使用許諾される べきか、あるいは何人に対しても全く使用させないかの、いずれかにすべきである ことを明らかにしてきました。
複写・頒布・変更に対する正確な条項と条件を次に示します。
GNU 一般公有使用許諾の下での複製、頒布、変更に関する条項と条件
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複製、頒布、変更以外の行為は本使用許諾の対象としません。それらは本使用許諾 の範囲外です。「プログラム」を実行させる行為に関して制約はありません。「プ ログラム」の出力は、( 「プログラム」を実行させて作成させたかどうかとは無関 係に) その内容が「プログラム生成物」である場合に限り本使用許諾の対象となり ます。これが当てはまるかどうかは、「プログラム」が何をするものかに依ります。
(例外として、「プログラム」自体は対話的であっても起動時の文言を通常は印 字しないのならば、あなたの「プログラム生成物」はこのような文言を印字す る必要はありません。)
これらの要件は変更された作成物にも全て適用されます。その変更版の或る部分が 「プログラム」の派生物ではなく、しかもそれ自体独立で異なる作成物だと合理的に 考えられる場合、あなたがそれらを別の作成物として頒布した時は、本使用許諾と その条項はそれらの部分には適用されません。しかし、それらを「プログラム生成 物」の一部として頒布する場合は、全体が本使用許諾の条項に従って頒布されなけ ればならず、使用許諾を受ける他の全ての者に対する許諾もプログラム全体にわたっ て与えられなければならず、結果として、誰が書いたかにかかわらず、全ての部分 に本使用許諾が適用されなければなりません。
このように、本条項の意図するところは、完全にあなたによって書かれた作成物に ついて、権利を要求したり、あなたと権利関係を争うことではありません。むしろ その目的は、作成物が「プログラム生成物」である場合にその派生物や集合物の頒 布を規制することにあります。
さらに、「プログラム」(又は「プログラム生成物」) と「プログラム生成物」とは ならない他のプログラムとを、単に保管や頒布のために同一の媒体上にまとめて記 録したとしても、本使用許諾は他のプログラムには適用されません。
なお、ソース・コードとは、変更作業に適した記述形式を指します。また、実行可能 形式のファイルに対応するソース・コード一式とは、それに含まれる全モジュールに 対応する全てのソース・コード、及びあらゆる関連のインタフェース定義ファイル、 及び実行を可能にするコンパイルとインストールの制御に関する記述を指します。特 別な例外として、実行可能なファイルが動作するオペレーティング・システムの主要 な構成要素(コンパイラ、カーネルなど) と共に(ソース・コード又はバイナリのどち らかで) 頒布されているものについては、その構成要素自体が実行形式に付随してい ない場合に限り、頒布されるソース・コードに含める必要はありません。
実行可能形式またはオブジェクト・コードの頒布が、指示された場所からの複製のた めのアクセス権の賦与である場合、同じ場所からのソース・コードの複製のための同 等なアクセス権を賦与すれば、たとえ第三者にオブジェクト・コードと共にソースの 複製を強いなくとも、ソース・コードを頒布したものとみなします。
本条項の或る部分が何らかの特別な状況下で無効または適用不可能になった場合、本 条項のその他の残りの部分が適用されるように意図されており、また、本条項は全体 としてその他の状況に当てはまるように意図されています。
本条項の目的は、特許やその他の財産権を侵害したり、そのような権利に基づく主張 の妥当性を争うようにあなたに勧めることではありません。本条項の唯一の目的は、 フリー・ソフトウェアの頒布システムの完全性を守ることで、それは公有使用許諾の 実践によって履行されます。多くの人々が、このシステムの一貫した適用を信頼して、 このシステムを通じて頒布されている幅広い範囲のソフトウェアに惜しみない貢献を してくれました。作成者や寄贈者が他の何らかのシステムを通じてソフトウェアを頒 布したいと決めることは彼らの自由意志であり、使用許諾を受ける者はその選択を強 いることはできません。
本条項は、本使用許諾の他の条項の意味内容が何であるかを完全に明らかにすること を意図しています。
各バージョンは、バージョン番号によって区別します。「プログラム」中に本使用許 諾のバージョン番号の指定がある場合は、その指定されたバージョンか、又はその後 に Free Software Foundation から公表されているいずれかのバージョンから1 つを 選択して、その条項と条件に従ってください。「プログラム」中に本使用許諾のバー ジョン番号の指定がない場合は、Free Software Foundation が公表したどのバージョ ンでも選択することができます。
無保証 ------
以上
注意
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英文文書(GNU General Public Licence) を正式文書とする。この和文文書は弁護士 の意見を採り入れて、できるだけ正確に英文文書を翻訳したものであるが、法律的に 有効な契約書ではない。
和文文書自体の再配布に関して
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いかなる媒体でも次の条件がすべて満たされている場合に限り、本和文文書をその まま複写し配布することを許可する。また、あなたは第三者に対して本許可告知と 同一の許可を与える場合に限り、再配布することが許可されています。
あなたの新しいプログラムにこれらの条項を適用する方法
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あなたが新しくプログラムを作成し、それを公用に供したい場合は、プログラムを フリー・ソフトウェアにして、全ての人々が以上の各条項に従ってこれを再頒布や 変更をすることができるようにするのが最良の方法です。
そうするためには、プログラムに以下の表示をしてください。その場合、無保証であ るということを最も効果的に伝えるために、ソース・ファイルの冒頭にその全文を 表示すれば最も安全ですが、その他の方法で表示する場合でも、「著作権表示」と 全文を読み出す為のアドレスへのポインタだけはファイル上に表示しておいてくだ さい。
プログラム名とどんな動作をするものかについての簡単な説明の行 ------------------------------------------------------------ Copyright (C) 19 ○○年、著作権者名 ---------- 本プログラムはフリー・ソフトウェアです。あなたは、Free Software Foundation が公表したGNU 一般公有使用許諾の「バージョン2」或いはそれ以降の各バージョ ンの中からいずれかを選択し、そのバージョンが定める条項に従って本プログラム を再頒布または変更することができます。 本プログラムは有用とは思いますが、頒布にあたっては、市場性及び特定目的適合 性についての暗黙の保証を含めて、いかなる保証も行ないません。詳細については GNU 一般公有使用許諾書をお読みください。 あなたは、本プログラムと一緒にGNU 一般公有使用許諾の写しを受け取ってい るはずです。そうでない場合は、Free Software Foundation, Inc., 675 Mass Ave, Cambridge, MA 02139, USA へ手紙を書いてください。
また、ユーザが電子メイルや書信であなたと連絡をとる方法についての情報も書き添 えてください。
プログラムが対話的に動作する場合は、対話モードで起動した時に次のような短い 告知文が表示されるようにしてください。
Gnomovision バージョン69、Copyright (C) 19 ○○年著作権者名 ---------- Gnomovision は完全に無保証です。詳細は show w とタイプしてください。これは フリー・ソフトウェアなので、特定の条件の下でこれを再頒布することができます。 詳細は show c とタイプしてください。
上記のshow w やshow c は各々、本一般公有使用許諾の関連する部分を表示する コマンドを指します。もちろん、あなたが使うこれらのコマンドはshow w やshow c といった呼び名でなくても構いません。さらに、それらのコマンドはあなたの プログラムに合わせる為に、マウスでクリックしたりメニュー形式にすることも できます。
また、必要と認めた場合には、あなたの雇い主(あなたがプログラマとして働いて いる場合) や在籍する学校から、そのプログラムに対する「著作権放棄」を認めた 署名入りの書面を入手してください。ここにその文例を載せます。名前は変えてく ださい。
Yoyodyne, Inc. は、James Hacker が開発したプログラム`Gnomovision' (コンパイ ラにつなげるプログラム) についての著作権法上の全ての権利を放棄する。 Ty Coon の署名, 1 April 1989 -------------- Ty Coon, 副社長
本一般公有使用許諾は、あなたのプログラムを財産権の対象となっている他のプログ ラムに組み込むことは認めていません。あなたのプログラムがサブルーチン・ライブ ラリであって、あなたがそのライブラリを財産権の対象となっている他のアプリケー ションとリンクさせることによって、さらに有用なものにしようとする場合には、 本使用許諾書の代わりに、GNU ライブラリ一般公有使用許諾書に従ってください。