一般のモノクローム端末がカラー端末じゃなかった頃は、白以外の緑や黄色な どの固定 ``カラー'' ディスプレイでした。全ての端末は黒を表示します (電 子ビームの照射を止めると輝度が 0 になる)。本物のカラー端末はテキストや 背景色をいろんな色に変えられますが、モノクローム端末は固定色の輝度を変 えられるだけなんです。
輝度などを変えるだけでもいろんなことができますよ。例えば、白黒 (モノク ローム) 端末は輝度を変えることで、白、黒、それに灰色を表現することがで きます。ある文字の色を黒で背景を明るい灰色にしながら、別な文字の色は黒 の強調表示で白地にできます。黒地に白文字や下線をつけたり点滅させること もできます。
色はコンピュータモニタか TV 画面の色に近い働きです。CRT には 3 色のド ットがあり、電子ビーム (3 つのビーム) で制御します。モノクロ端末は、3 色のドットを塗り分ける必要がないので、原理的にカラー端末よりも解像度を 良くすることができます。テキスト端末でただ一つの色の使い方は、テキスト を区別することで、利点は解像度の悪さが常にその価値を下げるわけではない ということです。ですから、モノクロームはまたコストを下げるには良い選択 なのです。
2 重のセッションのために、端末には同じ状態のシリアルポートが 2 つあり ます。各ポートを異なるコンピュータのシリアルポートへ接続します。こうす ることで、分割ウィンドウに表示される各セッションから各コンピュータにロ グインできるようになるのです。代りに、各セッションを ``ホット'' キー (またはそれに類するもの) を使って切り変えながら、フルスクリーンで利用する ことができます。同じコンピュータの 2 つの異なるシリアルポートに接続し、 2 度ログインすることも可能です (コンソールでの ``仮想端末'' に似ていま す)。プログラム ``画面'' は、一つか二つの ``セッション'' が動くシング ルコンピュータに接続した普通の端末 (シングルセッション) のように見える でしょう。
多くの端末の背面には、そのようなポートのためのコネクタがあります。それ には ``Aux'' とか ``Printer'' などと名前がついているでしょう。あるプリ ンターポートはパラレルプリンタ用ですが、シリアルプリンタ用もあります。 プリンタがプリンタポートか補助ポートに接続されているなら、あるキーを押 せば画面を印刷できるでしょう。望むなら、画面に表示されてるすべてをもプ リンタに出力できますよ。もしポートが補助ポートなら、それを他のコンピュ ータに接続して、上で述べたような 2 重セッションも行うことができるでし ょう。でも端末内蔵のビデオメモリには両方のセッション内容が残ってないの で、他のセッションに切り替るときに画面をリフレッシュする必要があります。 多分、ホットキーではできないでょうが、プログラム可能なファンクションキ ーを使えばこのようなことをプログラムで行えるでしょう。そのようなポート を制御するために、各種キーの組合せとエスケープシーケンスが存在します。 Printer Esc をご覧ください。
端末に接続したプリンタに印刷するために、端末へプリントジョブ(テキスト
のみ)を送るよう設計された vtprint と呼ぶプログラムがあります。ホームペ
ージは
http://www.yavin.org/software/vtprint/
です。それは、
Debian/Linux ディストリビューションに含まれています (1998 年現在)。
xprt
(これも Debian/Linux) も似たようなものですが、X-Windows 専用
のはずです ??
多くの端末は、ビデオメモリ内に 1 ページ以上記憶する余地があります。時 には、ページサイズは画面と同サイズですが、時にはそれ以上になるので、ス クロールすればページの見えない部分が表れるでしょう。それで、画面を見る と、同じページの上か下の表示が隠れてるように思うかもしれません。2 ペー ジ以上にわたるなら、他のページのテキストは隠されているということを付け 加えておきます。ページの使い方の一つが、2 重のセッションをサポートする 端末です。各セッションにはそれ自身のページがあり、各セッション間で強制 的に切り替えを行なっているのです。
ページサイズが画面表示と同じ 1 ページの端末であっても、あなたがファイ ル (その他) 内のページを見ている間に、ホストは他のデータを端末に送りま す。端末メモリに記憶した追加ページを持つことの利点は、数秒の待ち時間も なく即座に表示したり、ホストから送信できることです。
複数ページは ncurses でサポートされています。それはまた ``Multiscreen'' と呼ぶ市販のプログラムでもサポートされていますが、 Linux ではおそらく利用できないでしょう ?? Multiscreen は SCO の一部で あるとのうわさで、Linux PC コンソールでの仮想端末と同じようなものです。 Linux プログラム ``screen'' は多重ページであるかのように見せますが、そ れはコンピュータに記憶され、各々でプログラムを走らせることができる 1 ページのウィンドウのようなものです。
文字セットは各文字がバイトコードに割り振られた文字リスト (または、表か 図) で表現されます。バイトコードは 0 から 255 ( 16 進数で 00 から FF) の範囲です。MS-DOS では文字セット表を ``コードページ'' と呼んでいます。 それになじみがなければ、その表を見といたほうがいいですよ。それはプリン タや端末のマニュアルにたまに含まれていますが、インターネットからも見つ けることができるかもしれません。
ASCII はテキスト端末で使われる最も一般的な文字セットの一つです。7 ビッ トコードですが、最初のビット (最上位ビット) が常に 0 である 8 ビットコ ードも使えます。通常は他の文字セットも利用可能です (ASCII しか選択でき ないかなり古い端末は除外)。文字セットの前半は従来の ASCII キャラクタで、 後半 (最上位ビットが 1) はさまざまな文字セットに属します。ISO 規格のも のが文字セットとしてよく使われます。特殊文字セットを端末に表示させるた めに、端末メモリにその文字セットをダウンロードする必要があります。
ASCII 以外で他に一般的な文字セットは全て 8 ビットです。CP は IBM が作 ったコードページ文字セットで、CP-437 (DOS ECS), CP-850 (Multilingual Latin 1 -- ISO Latin-1と同じではない),ISO-8859-1 (Latin-1), ANSI (Latin-1 から派生) などがあります。MS Windows では ANSI を使用しますが、 インターネットではよく Latin-1 を使います。いくつかの ISO-8859 文字セッ トが Latin-1 に加えられています。ギリシャ (-7)、アラビア (-6), 東欧 (-2), それに Latin-9 と呼ぶ Latin-1 (-15) の改変版などです。他にもたく さんあります。例えば、KOI8-R はロシアで IS0-8859-5 より一般的に使われ ています。Unicode は膨大な文字セットで、各文字は 1 バイトの代りに 2 バ イトで表わします。
さらに文字セットについての情報を挙げます。
一度、興味のある文字セット (または英数の名称) を見付けたら、より詳しい 情報をインターネットから探すことができるでしょう。
1980 年半ば以降に製造されたほとんどの端末は、ソフトフォントをダウンロ
ード可能です。このことは、ソフトフォントにあるほとんどの文字セットを表
示できることを意味します。必要なソフトフォントが見つからなければ、あな
たは自分で作ることもできます。このようなフリーフォントエディタとして
BitFontEdit (本書の著者が作成) があり、それは (1998現在で)、
ヨーロッパなら
http://www.funet.fi/pub/culture/russian/comp/cyril-term/、
北米なら
ftp://cs.utk.edu/pub/shuford/terminal/BitFontEdit.tar.gz から
ダウンロードできます。
端末のキーボードには PC キーボードにはあまり見られない多くのキーがあり ます。わずかの (もしあるなら) 端末にはこれらのキーすべてがあり、そのほ とんどにはここで取り挙げていない追加キーがあります。幾つかのものには、 キャッシュレジスタ用端末のような特殊用途のためのキーも多数あります。こ こで示す以外の意味がより多くのキーにあると思いますが、これらのキーは他 のキー (シフトキーやコントロールキーなど) と共に使われた時に拡張した意 味を持ちます。