マルチポートボードは、1 台の PC に沢山の端末 (や、モデム) を接続できま す。端末とホストコンピュータは、ケーブル直結かモデム経由、またはターミ ナルサーバ経由で接続されるでしょう。
追加のシリアルカードは、沢山のシリアルポートを持つ ``マルチポートボー ド'' という名で購入できるかもしれません。本書ではこのようなボードにつ いて触れていませんが、Serial-HOWTO でかなり詳しく述べています。ある会 社の平均価格 (1998 年現在) は ByteRunner にあります。
端末とホストコンピュータを結ぶ最も簡単な方法は、ホストコンピュータのシ リアルポートへ直接接続することです。コンピュータと他の機器を (シリアア ルポートを経由して) 接続するなら、本章の情報を活用できます。ほとんどの PC にはシリアルポートが 2 つありますが、1 つはマウス用です。 EIA-232 ポート用として、送信と受信線がクロスしたヌルモデムケーブルが必要です。 ハードウェアフロー制御をしたいなら、おそらく DTR ピン (または、DTR ピ ンと DSR ピンの両方) を使うことになります。
訳注:現在の PC ではマウスポートは別にあり、2 つあるシリアルポートは両 方とも使用できるか、一方は内蔵のモデムボードが使用しています。
ケーブルの種類が正しいことを確認してください。お店で買ったヌルモデムケ ーブルなら大丈夫でしょう (長さが十分ならば)。しかし、ハードウェアフロ ー制御はうまく働かないかもしれません。そんなケーブルはシリアルプリンタ ーケーブルなどとラベルが貼られてることでしょう。あなたご自身のケーブル を 買うか作るかは、ここを参考にし て決めてください。オスの DB25 か DB9 のシリアルポートの PC への接続に は注意してください。それと パラレルポート (メスの DB25) に間違ってつな がないように。
下図の 3 つは本当のテキスト端末用ですが、RTS を DTR に、CTS を DSR に 置き換えれば 2 台の PC の接続にも使えます (PC と PC の接続に 4 線式を 使わないでください)。端末用として、DTR フロー制御だけを使うなら、 RTS と DSR 間を配線しないでください。2 組のツイステッドペア線なら、 ツイステッドペア線を使ったかしこいやり方 にあるように、2 つの線を信号グランドとして使ってください。
PC オス DB25 端末 DB25
TxD 送信データ 2 --> 3 RxD 受信データ
RxD 受信データ 3 <-- 2 TxD 送信データ
SG 信号グランド 7 --- 7 SG 信号グランド
CTS 送信可 5 <--20 DTR 端末レディ
RTS 送信要求 4 --> 6 DSR データレディ
あなたの PC が DB9 コネクタなら以下を試してみてください。
PC DB9 端末 DB25
RxD 送信データ 2 --> 2 TxD 受信データ
TxD 受信データ 3 <-- 3 RxD 送信データ
SG 信号グランド 5 --- 7 SG 信号グランド
CTS 送信可 8 <--20 DTR 端末レディ
RTS 送信要求 7 --> 6 DSR データセットレディ
あなたの PC と端末の両方共、DB9 コネクタなら以下のように接続します。
PC DB9 端末 DB9
RxD 送信データ 2 --> 3 TxD 受信データ
TxD 受信データ 3 <-- 2 RxD 送信データ
SG 信号グランド 5 --- 5 SG 信号グランド
CTS 送信可 8 <-- 4 DTR 端末レディ
RTS 送信要求 7 --> 6 DSR データセットレディ
上図の結線にはモデムコントロール線がありませんから、getty に ``local'' オプションが設定されていること (stty clocal と同じ) を確認しておいて ください。それとハードウェアフロー制御が必要なら、コンピュータ側でも可 能にしなければなりません (agetty の -h オプションを使って。 ``stty crtscts'' と同じです)。
以下の 3 つの図は、フル ``スタンダード'' ヌルモデムケーブル用の結線図 です。購入したケーブルはこんな風に結線して接続します。これはコンピュー タ同士でも良好に接続できるでしょう。そして本当の端末でもソフトウェア (Xon/Xoff) フロー制御 (あるいはフロー制御無し) を使って接続できます。 しかし、端末でハードウェアフロー制御はうまく働かないでしょう。本物の端 末のほとんどは DTR か DTR/DSR フロー制御 (ハンドシェイク) をサポートし ていますが、Linux ではサポートされてないからです。
PC オス DB25 端末 DB25
TxD 送信データ 2 --> 3 RxD 受信データ
RxD 受信データ 3 <-- 2 TxD 送信データ
RTS 送信要求 4 --> 5 CTS 送信可
CTS 送信可 5 <-- 4 RTS 送信要求
DSR データセットレディ 6
|
DCD キャリア検出 8 <-- 20 DTR 端末レディ
SG 信号グランド 7 --- 7 SG 信号グランド
6 DSR データセットレディ
|
DTR 端末レディ 20 --> 8 DCD キャリア検出
代わりにフル DB9-DB25 ヌルモデムケーブルを使った場合です (端末でのハー
ドウェアハンドシェイクはうまく働きません - 上記をご覧ください)。
PC DB9 端末 DB25
RxD 受信データ 2 <-- 2 TxD 送信データ
TxD 送信データ 3 --> 3 RxD 受信データ
6 DSR データセットレディ
|
DTR 端末レディ 4 --> 8 DCD キャルア検出
GND 信号グランド 5 --- 7 GND 信号グランド
DCD キャリア検出 1
|
DSR データセットレディ 6 <-- 20 DTR 端末レディ
RTS 送信要求 7 --> 5 CTS 送信可
CTS 送信可 8 <-- 4 RTS 送信要求
(RI リング表示 9 不要)
(そう、DB9 コネクタ の 2 番、3 番ピンは DB25 コネクタとは逆の意味になっ
ています!)
2 つの DB9 コネクタをヌルモデムで接続する方法がこれです (でも DTR フロ ー制御はうまく働きません)。
PC DB9 DB9
RxD 受信データ 2 <-- 3 TxD 送信データ
TxD 送信データ 3 --> 2 RxD 受信データ
6 DSR データセットレディ
|
DTR 端末レディ 4 --> 1 DCD キャリア検出
GND 信号グランド 5 --- 5 GND 信号グランド
DCD キャリア検出 1
|
DSR データセットレディ 6 <-- 4 DTR 端末レディ
RTS 送信要求 7 --> 8 CTS 送信可
CTS 送信可 8 <-- 7 RTS 送信要求
RI リング表示 9 (未使用)
上記 2 つのコネクタを使うとフルモデムコントロール信号を備えているので、 ``stty -clocal'' をセットすればそれができそうに思えます。getty 等が通 常の方法でポートをオープンする前に、端末の電源が入ってないといけません (DTR をアサートにする)。でも、最初に端末の電源を入れ損なうとトラブル の元です ( getty は即座に再起動するをご 覧ください)。そんな理由で、``stty clocal'' はデフォルト (モデムコント ロール線を無視する)で使うべきで、これらのケーブルに追加した信号線はそ の目的を果たしてはいません。
昔はモデムコントロール信号などを無視するのは簡単ではなかったので、次の ような ``トリック'' を行なっていました。それは、コンピュータ側のモデム コントロール線をつながずに、RTS と CTS を短絡したり、あるいは DSR と D CD と DTR を短絡したりするといったことです。この結果、コンピュータがあ るハンドシェイク信号を処理する必要がある時に、コンピュータ自身で (偽り の) 処理することになります。
50 フィート (約 15 メートル) 以上のケーブルは高速ではうまく働かないか もしれません。この長さ以上でも大丈夫なのは、特に、低速で、低い静電容量 のケーブルを使い、受信端の電気的特性の感度が良好な場合です。9600 ボー で理想的は状態であれば、1000 フィート (約 300 メートル) でも通信できる とのことです。遠距離をカバーする一つの方法は、各シリアルポートの近くに 2 つのラインドライバを設置して、非平衡型から平衡型に変換 (および逆変 換) するとともに、ツイステッドペアケーブル線を使用することです。でもラ インドライバは高価ですが。
ハードウェアフロー制御 (ハンドシェイク) を望み通りに使いたいなら、自作 ケーブル (またはオーダーメイド品) を使う必要があります。もちろん使用中 のケーブルのコネクターが取り外せるなら、そうして配線し直してもかまいま せん。 DB コネクタのイン ストールをご 覧ください。DTR ピンを使うかどうか、使わないのならどのピン (ピン類) を 使うのか決める必要があります。セットアップメニューには DTR ピンの使用 を意味する ``DTR ハンドシェイク'' があるので、これについての糸口になり ます。DSR ピンも使うかもしれません。詳説は ハードウェアフロー制御をご覧ください。古 い端末にはハードウェアフロー制御が備わっていないものもあるでしょう。
ノーマルな ``ストレートスルー'' ケーブルは、ヌルモデムケーブルかヌルモ デムアダプタと結合した延長ケーブルにしないとうまく働かないでしょう。ケ ーブル端のコネクターがハードウェアのコネクタと合っていることを確認して ください。最低 4 芯 (ひょっとすると、ツイステッドペア) の電話線を使う 人がいるかもしれません。シールドしてあって、特別に低い静電容量のコンピ ュータケーブルがベストです。
EIA-232 信号は平衡型ではないので、ツイステッドペアケーブルの使用には注 意を要します。一つのペアは送信用で、もう一つは受信用です。こうするには 各 2 つのペアの 1 本の線を信号グランドに接続します。信号のグラウンド電 流だけが、(ツイステッドペアの一方をグラウンドに接続した)線を流れますが、 これでも役に立つでしょう。「(グラウンドへ戻る別の回路に比べて) 目的の ツイステッドペア回路は低インダクタンスであるため、実際にこの回路を経由 する帰還 (グランド) 電流は、純抵抗成分 (直流抵抗) だけから計算した場合 よりも多くなります。周波数が高くなるほど、誘導インピーダンスが増加する ので、これは特に高周波領域で顕著に現れます。そしてシリアルポートの矩形 波には高調波が含まれてるんですよ。
訳注:著者の言いたいことは要はこういうことです。「ツイステッドペアの2 本の線は一方は信号に、他方はグラウンドに接続すべきです。このように接続 することで、線に流れる電流に依って生じる磁界が互いに打ち消し有って、外 部からのノイズの影響を受けにくくなりますし、線に流れる矩形波電流が含む 高調波を外部へまき散らすことも少なくなるからです。」
1 番ピン (DB 25 の) はフレームグランド (接地でもある) ですが、安いシリ アルポートではどこにも接続さえしていません。9 ピンコネクタなどは接地用 の端子さえないのです。信号グランドは 7 番ピンで、普通はフレームグラン ドに接地されます。これは信号電流の一部が屋内配線の接地線に流れる (望ま しくない) ことを意味します。ケーブルのシールドは、ケーブルの片方のコネ クタだけで接地されることになっていますが、ケーブルのシールドを両方のコ ネクタに接地したほうが、屋内配線の接地線に電流が流れ込まないので、良い 方法かもしれません ??
訳注:屋内配線に接地線がついている国でのお話です。日本では、特別な場合 を除いて接地線は配線されていません。
端末とモデムを組み合せて (コンピュータなしで) BBS に接続できます。いく つかの BBS (フリーネットのような)では、テキスト端末で動く lynx みたい なテキストブラウザを使ったアクセスを許しています。従って、古い端末と外 付けモデムでインターネットへも接続できます。アカウントのあるコンピュー タに接続したなら、ホストコンピュータ上での作業の保存 (や、ファイルのダ ウンロード) ができるでしょう。
ケーブルを使って端末 (あるいは端末をエミュレートするコンピュータ) とホ ストコンピュータを直結して接続する代りに、電話線 (あるいは専用線) とモ デムを使ってホストに接続できます。普通は端末 (またはコンピュータ) がホ ストコンピュータに電話を使って発信します。
ほとんどの人は発信に PC とモデムを使います。PC にはシリアルポート接続 した端末があって、端末を使う人が PC を使って発信できます。本物の端末は あまりインテリジェントではなく、ユーザにフィードバックすることもないの で、外付けのモデムを端末に接続するのは難しいことです。発信では、端末の 多くは 1 つ以上の電話番号を ``セットアップ'' しておけるメッセージとし て記憶しておき、あるファンクションキーを押したらモデムに送ります。多く のモデムもまた電話番号を記憶しておけます。モデムの初期化シーケンスは電 話番号に先立って行なわれなければなりません。電話回線の向こう側から応答 が返ってきたら、こっち側のモデムに繋がるホストコンピュータはログインで きるよう getty プログラムを動かします。
Linux が動くコンピュータでは着信を受けるのはあたりまえのことで、呼び出 し側はログインプロンプトの表示後、ログインします。初めて見ると、ダム端 末 (どのコンピュータにも接続していない) がどうして着信を受けられるのか 奇妙に思うかもしれませんが、できるんですよ。このようなことをする理由の 一つは、料率が違う電話料金を節約することです。端末で ``着信'' の設定を し、端末側のモデムを自動着信 (レジスタ S0 に 2 をセットすると 2 回ベル が鳴ったら自動応答します) にするなど着信用の設定が必要です。着信前に端 末とモデムの電源を入れておいて、電話がかかってくると、ログインプロンプ トが表示されログインできます。
端末に電話をかけるホストコンピュータには、ちょっと普通じゃないことをす る必要があります。端末側のモデムが応答するとすぐに、ホストはログイン (login) を動かす必要があります。ホストは ``コールバック (callback)'' 時には ``cb'' と呼ぶ Linux プログラムを起動してこれを行います。コール バックとは、コンピュータ A がコンピュータ B に電話をかけ、コンピュータ B が一旦電話を切った後、コンピュータ A に電話をかけ直すことです。端末 をエミュレートするコンピュータ A を使っているならやりたいのではないで しょうか。コールバックプログラムの ``かけ直し'' の部分にしかホストを利 用できないので、本当の端末にとって複雑な作業となるはずです。コールバッ クのセットアップファイルはホスト側で正しく設定されなければなりません。 コールバックは端末に電話をかけさせ、そのポートで mgetty を動かします。 mgetty 自体 (1998年前半現在) は着信を受けることしかできなかったけど、 コールバック機能を組み込んで、発信もできるようになりました。1999年前半 の段階でこれができるとは思えませんでしたが。
ターミナルサーバの使い方の一つは、ホストコンピュータが繋っている高速通 信ネットワークに沢山の端末 (や、モデム) を接続することです。もちろん、 ターミナルサーバには処理能力とネットワークプロトコルを話すソフトウェア が必要で、ある点でコンピュータに似ています。ターミナルサーバは、どんな コンピュータを接続するか等についてユーザと対話したり、あるいはそのよう なことをせずに接続できるものがあります。ターミナルサーバを経由してプリ ンターにジョブを送ったりもします。
今日の PC は、各シリアルポート自身にハードウェア割り込みが必要であるこ とを除けば、テキスト端末用のターミナルサーバとしての処理能力は十分にあ ります。PC をこの用途に使うには、割り込みが少なく、割り込みはハード的 に配線されていますので、ソフトウェア的に割り込みを増やすことも出来ませ ん。解決策はカード自体が割り込みシステムを持っている高機能マルチポート シリアルカードを使用することです (あるいは廉価版なら、PC の割り込みを 各ポートで共有するものがあります)。このようなカードについての詳しい情 報は Serial-HOWTO をご覧ください。Linux の下で、たくさんのシリアルポー トに対して getty が走る PC はターミナルサーバだと考えてもいいのです。 ネットワーク越しに他の PC と連携したり、主な役目がデータを通過させたり 14 バイト (か、それ以上) 毎にシリアルポートの割り込みを扱うのであれば、 それは事実上ターミナルサーバと言えます。``redius'' と呼ぶソフトウェア が時々使われます。
ターミナルサーバは端末だけでなく、それ以外にもサービスを提供するよう進 化しました。それは端末をエミュレートする PC にも役に立つし、時々は電話 線をつないだモデムプールにも接続されました。電話の着信にたいしてサービ スするデジタル接続を必要とする 56 K モデムの出現で、電話会社へのデジタ ルインターフェースが必要となりました。これは (そしてより以上のものが) 、 ターミナルサーバをリプレースする ``リモートアクセスサーバ'' によって今 日供給されています。ターミナルサーバに接続されている多くの独立した電話 線の代りに、(多数あるうちにの) 各 1 本にたくさんのデジタル電話の着信を 受けられるので、少ないケーブルですみます。リモートアクセスサーバ上では たくさんの電話番号や端末が必要な多数の接続者達はもはや存在せず、従って ターミナルサーバの後継はたやすくテキスト端末をサービスできません。
コネクタは半永久的にケーブル端かハードウェアユニットに取り付けられます。 シリアル通信で使うコネクタには 2 つの基本的なタイプがあります。それは、 1. ピン付きの DBxx (DB25 のような) と、2. 電話線に使うモジュラー型の コネクタです。
アダプタはコネクタのように見えますが、両端についています。ケーブルのよ うなものですが、コネクタ以外の残りの部分はケーブルではなく、長くはあり ません。アダプタの両端はプラグになっています。それを使えば互換性のない コネクタ同士を接続することができます。アダプタは配線の変更にも使用しま す。アダプタの代用品として特別な (多分、自作の) ケーブルを使うこともあ ります。
コネクタ (あるいはアダプタの一端) は、オスかメスのどちらかです。ピンに なっているコネクタがオスで、ソケット (これもピンと呼ぶ場合があります) の方はメスです。モジュラーコネクタの場合、端子が露出している方がプラグ で、内側に端子があるもの (見えにくい) がジャックです。プラグがオスで、 ジャックがメスです。
アダプタには、ヌルモデム、ジェンダチェンジャー、ポートアダプタの 3 つ の基本的なタイプがあります。幾つかのアダプタには、この 3 つの機能の内 1 つ以上があります。
(ケーブル端に DB コネクタを取り付けるには DB コネクタの取り付けをご覧 ください。) コネクタは 9 ピンか 25 ピンです。EIA-232 の規格上は 25 ピ ンですが、これらのピンのほとんどはシリアルポートでは普通は使われないの で、9 ピンで十分なのです。ピン配置については DB9-DB25をご覧ください。 普通、ピンには番号が振られていて、目を近づけるか、拡大鏡を使って見るこ とができます。
現代的な電話コネクタのような外見ですが、必ずしも電話コネクタとの互換性 はありません。 RJ コネクタの取り付けをご覧ください。これ には 6 個か 8 個または 10 個の端子がついています。 RJ11/14 は 4-6 端子 付きの電話プラグで、外見は VT (または他の) 端末の後期モデルで使われて いる MMJ コネクタ (6 端子) に似ています。MMJ にはオフセットタブがあり、 RJ11/14 とは互換性がありません。しかし幾つかのコネクタは、 MMJ か RJ11/14 の両方と互換性があるように作られています。MMJ のピン配置は 1-DTR,2-TXD, 3-TXD GND, 4-RXD GND, 5-RXD, 6-DSR となります。
MMJ (または、RJ11/14) コネクタ付きのヌルモデムケーブルは、1 と 6、2 と 5 そして 3 と 4 を接続します。DTR/DSR フロー制御線を結んだケーブルを 使っても、Linux では (まだ) サポートされていないことに注意しておいてく ださい。何千万軒もの家庭で使われている壁から電話に配線された 4 端子の 電話線について理解しているなら、6 端子のヌルモデムケーブルを自作するの は簡単なことです。電話線もヌルモデムケーブルですから。それをよく見て、 同じ方法で結線すればよいのです。
平らな床面に (ねじれをつけないで) そのケーブル (もしくは端末のヌルモデ ムケーブル) を置いたら、ケーブルの両端のプラグには上向き (あるいは両方 共下向き) の金色の端子があるのに気がつくでしょう。ヌルモデムなのになぜ 左右対象になってるんだろうとちょっと考えるかもしれません。インラインカ プラを二三のケーブルと一緒に使うかもしれませんが、各インラインカプラも またヌルモデムアダプタなので、すべてうまく動くでしょう。2 つのヌルモデ ムデバイスを一列に繋ぐならストレートな接続にします。
RJ45 と RJ48 には通常 8 つの端子の電話プラグがあります。しかし、なかに は 10 端子のものがあって、10 端子のコネクタは幅が広いので、8 端子のコ ネクタには合わないでしょう。電話線のようなフラットケーブルや、丸いツイ ストペアケーブルの両方で使われています。コネクタのケーブル側は、丸ケー ブルとフラットケーブルで違っており、また RJ45 と RJ48 共に 8 か 10 端 子のものがあるので、間違えないよう気を付けてください。RJ48 には特殊な タブがあるので、RJ48 プラグは RJ45 ジャックには挿しこめないでしょう (R J45 プラグは RJ48 ジャックに合います)。それはマルチポートシリアルカー ドやネットワーク装置で使われます。8 端子のピン番号を示します。
プラグ ジャック
(ケーブル端の外観) (壁面の穴の外観)
.__________. .__________.
| 87654321 | | 12345678 |
|__. .__| |__. .__|
|____| |____|
短かいヌルモデムケーブルを購入しようとする場合、それにはよくシリアルプ リンタケーブルとラベルが貼ってあります (でもシリアルプリンタは現在では あまりポピュラーではなく、ケーブルもそうです)。残念ながら、ハードウェ アフロー制御用にはおそらく使えないでしょう。ケーブル端のコネクターが、 あなたのコンピュータや端末のコネクタに合うかどうか確認してください。
端末を接続するのに長いケーブルが必要だったり、ハードウェアコントロール の必要がある時に、それに見当ったケーブルを得るにはどのようにすればよい のでしょう ? 正しい既成ケーブルを見つけるのは難しいことで (インターネ ットで探せば見つかるかもしれません)、特に最小限の配線 (4 本) なら尚さ らです。選択肢の一つは注文製作品を使うことで、少し高価になりますが、誰 か作ってくれる人がいるなら既製品と比べてそんなに高くはなりません (私は そうしました)。もう一つの選択肢は自分で作ることです。これには特別なツ ールが必要です。それを見つけたら、使用済みのケーブルなんて安い買物です が、おそらくコネクタ部分の配線を繋ぎ直す必要があります。短かいケーブル についているのは固定された成形コネクタで、再配線できないようになってい ますが、注文生産品や自作のコネクタなら配線をやり直すことができます。自 作ケーブルの長所は、ケーブルが壊れた (あるいは調子が悪い) ときや、急に 他のケーブルを作る必要があるときにあなたの技量でもって作れることです。
ピン番号はコネクタのプラスチック部に刻まれています。各ピンの近くにあっ て、見るには拡大鏡が必要になるでしょう。
DB コネクタに簡潔な説明があります。残念なが ら、最近のケーブルのほとんどは成形コネクタなので、改造はできません。ネ ジを外して、線を付け替えられるものもあります。ケーブルを作ったり、既存 のものを作り直したりするなら、ピンについて知っておかねばなりません。ピ ンには半田付けタイプと裸線をかしめるタイプ の 2 つがあります。
かしめ式ピンは、かしめるための特別な工具と``挿入 / 引出し'' 工具も必要 です。これらのツールを一旦入手すれば、半田付けによる製作より早いでしょ う。2 本の線を 1 つのピンに挿すなら (接続済みのピンと他のピンをジャン パーする場合も)、半田付けのほうが早いでしょうけど。なぜなら、かしめ式 ピンは各 1 本の線にひとつだけしか付けられませんが、半田付けのほうは 1 つのピンに対して 1 本以上つけられるからです。
かしめ式ピンを挿入するには手か工具を使って挿し込みます。工具でピンを取 り外すには少しこつがいります。目の前に工具と線があれば、これからの指示 はすぐ理解できます。まず、ピンの後ろの線の周りに工具の先を押しつけ、コ ネクタの穴にとどくまで (およそ 1.5 cm) 挿入します。どれだけ挿入するか を示すマークがついている工具もあります。工具の先には先細りした切れ目が あるので、線より広い切れ目から始めて、工具の先を電線に押しつけます。工 具には先が 2 つあります。電線をはさみ込みにくい方は、電線をほぼ完全に 覆うので容易に電線を引き抜けます。
先端が適切に挿入された状態で、工具と電線をゆっくり引いてみてください。 出てこないなら、工具が正しく挿入されていないので、もうすこし押し込むか、 違う位置にねじってみてください (あるいは両方とも試してみる)。もしかし たらピンを動かすのに違う種類の工具を使ってるのかもしれません。この工具 を使えば、ストレートケーブルをヌルモデムケーブルにしたりすることができ ます。
``挿入 / 引き抜き'' 工具の使用には問題があります。工具がピンの後部に挿 入できないなら、ピンが線をきちんとかしめておらず、工具の先が丸まってな くて角っぽくなってるからでしょう。ピンが出始めてもすべて引き抜けないな ら、ピンが曲ってるのかもしれません。拡大鏡で見てください。プライヤでピ ンをまっすぐにしようとすると、金めっきを傷めるかもしれません。たまに太 いスクリュードライバのブレードの先 (またはそれに似たもの) で押しつけた りしますが、あんまり強く押しつけるとプラスチックの穴を削ったり、ピンを 曲げてしまうかもしれません。
やり方を知らずに、あるいは説明書を読まずに半田付けをするのはやめましょ うね。
これはすごくありふれた電話で使われる電話用のモジュラージャックコネクタ です。しかし違うタイプのものもたくさんあります ( RJ モジュラー コネクタをご覧ください)。
この種のタイプの再利用は簡単ではありません。線を引っ張り出して、金色の 端子を上げることができるくさび型のものを押し込めば、コネクタは再利用で きます。取り付けには特別な締め付け工具が各コネクタタイプ毎に必要です。
もし締めつけ工具がなくても、小さなドライバー (それとハンマー)を使えば 取り付けられます (ちょっと難しいけど)。ケーブルの電線をコネクタの中に 入れて、絶縁体の間と端子の間にピッタリ収まるように、各端子毎に小さなド ライバーで強く押しつけます。端子の幅とほぼ同じドライバーヘッドを使わな かったり、押しつけた時にドライバーが滑ったりすると失敗しますよ。小さな ハンマーでドライバーを強く叩いてもよいかもしれません (最初は手で押しま す)。
端子を押している時に、コネクタの取り外しレバーを傷つけないよう注意して ください。机にそれを乗せて、端子を押さないでください。代りに、レバーと ボディの間の裂け目にぴったり合う詰めもの (薄さ約 1 mm) を詰めて おいて ください。詰めものには、厚いボール紙か数枚の名刺、または板を使えばよい と思います。コネクタの底 (机の上に置いたときに) は平らじゃないので (取 り外しレバーがあるため) 、そんなコネクタを支えるような少し柔らかいもの (1 枚のボール紙のようなもの) を机上に乗せておくようにしてください。よ り良いのは、最初の 6 mm厚のコネクタの下に別な 1 mm 厚の詰めものを入れ て、端子を支えるようにすることです。表面が柔らかなテーブルでも傷めない でしょう。別な方法 (私は試したことありませんが) は、万力でコネクタを固 定しておくことですが、コネクタを壊さないように注意してください。
締めつけ工具を使うのと比べて上記の作業で取り付けると時間がかかり、誤り や失敗を犯しがちですが、1 つか 2 つのコネクタを取り付けるだけなら、特 別な工具を買うよりはるかに安上りで、得策です。