Linux カーネルにおける SCSI サポートは、ユーザの必要に応じて様々な方法で モジュール化できます。オプションを理解するためには、まずいくつかの用語を 定義せねばなりません。
scsi-core は SCSI サポートの核(コア)になる部分です。これがなければ、
他の SCSI ドライバは何もできません。SCSI コアサポートは、scsi_mod.o
というモジュールか、カーネル組み込みで行われます。コアがモジュール化され
ている場合、他の SCSI モジュールが組み込まれる前に組み込まれていなければなり
ませんし、他の SCSI モジュールが取り外された後にしか取り外せません。
SCSI コアがカーネル内にあれば(組み込んであっても、モジュールであって
も)、上位・下位レベルドライバをそれぞれロードできます。上位レベルのドラ
イバとしては、ディスクドライバ(sd_mod.o
)、CD-ROM ドライバ
(sr_mod.o
)、テープドライバ(st.o
)、SCSI 汎用ドライバ(sg.o
)
があり、制御できる種々のデバイスをサポートします。例えば、テープドライブ
を使いたくなったら、その時にテープドライバを組み込むことができます。必要が
なくなれば、取り外すこともできます(メモリが解放されます)。
下位レベルのドライバは、ハードウェアプラットフォームで対応している個々
のカードをサポートするものです。例えば、Adaptec 1542 シリーズのカードの
ドライバは aha1542.o
です。
scsi_mod.o
)[ SCSI Core support]
Load command: /sbin/modprobe scsi_mod.o モジュールパラメータなし
sd_mod.o
)[SCSI Disk support]
Load command: /sbin/modprobe sd_mod.o モジュールパラメータなし
st.o
)[SCSI Tape support]
Load command: /sbin/modprobe st.o モジュールパラメータなし ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
sr_mod.o
)[SCSI CDrom support]
Load command: /sbin/modprobe sr_mod.o モジュールパラメータなし
sg.o
)[SCSI generic support]
Load command: /sbin/modprobe sg.o モジュールパラメータなし
ほとんどの SCSI カードドライバはモジュールパラメータに対応せず、
設定は自動認識に頼っています。ハードウェアについての情報
を得たければ、SCSI-HOWTO と、
/usr/src/linux/drivers/scsi
にある README を読みましょ
う。I/O アドレスがちょっと変だったりするなら、ドライバをカーネ
ル組み込み(module でなく)にして、ブート時オプションを使わねば
なりません。BootPrompt-HOWTO を参照してください。カーネル
ソースをいじってリコンパイルするのも手ですね。
wd7000.o
)[7000FASST SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe wd7000.o モジュールパラメータなし カードは自動認識。BIOS がなければならない ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
aha154x.o
)[Adaptec AHA152X/2825 support]
Load command: /sbin/modprobe aha154x.o モジュールパラメータなし カードは自動認識。BIOS がなければならない ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
aha1542.o
)[Adaptec AHA1542 support]
Load command: /sbin/modprobe aha1542.o モジュールパラメータなし カードの自動認識は 0x330 と 0x334 のみ。 ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
aha1740.o
)[Adaptec AHA1740 EISA support]
Load command: /sbin/modprobe aha1740.o モジュールパラメータなし カードは自動認識
aic7xxx.o
)[Adaptec AHA274X/284X/294X support]
Load command: /sbin/modprobe aic7xxx.o モジュールパラメータなし カードは自動認識。BIOS が有効でなければならない。 ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
advansys.o
)[AdvanSys SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe advansys.o [parameters] asc_iopflag=1 有効=1、無効=0 (I/O ポートスキャン) asc_ioport=0x110,0x330 スキャンする I/O ポート asc_dbglvl=1 デバッグレベル 0: エラーのみ 1: トレース 2-N: 詳細トレース ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
in2000.o
)[Always IN2000 SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe in2000.o モジュールパラメータなし カードは自動認識。BIOS は必要なし。
BusLogic.o
)[BusLogic SCSI support]サポートしている BusLogic カードのリストは長いです。全部
見たい場合は
usr/src/linux/drivers/scsi/README.BusLogic
を読んで下
さい。
Load command: /sbin/modprobe BusLogic.o モジュールパラメータなし ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
dtc.o
)[DTC3180/3280 SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe dtc.o モジュールパラメータなし カードは自動認識 ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
eata.o
)[EATA ISA/EISA (DPT PM2011/021/012/022/122/322) support]
Load command: /sbin/modprobe eata.o モジュールパラメータなし ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
eata_dma.o
)[EATA-DMA (DPT, NEC, AT&T, SNI, AST, Olivetti, Alphatronix)]DPT Smatchche、Smartcache III、SmartRAID を含みます。
Load command: /sbin/modprobe eata_dma.o モジュールパラメータなし すべての設定は自動認識
eata_pio.o
)[EATA-PIO (old DPT PM2001, PM2012A) support]
Load command: /sbin/modprobe eata_pio.o モジュールパラメータなし
fdomain.o
)[Future Domain 16xx SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe fdomain.o モジュールパラメータなし カードは自動認識。BIOS がなければならない
NCR5380.o
)[Generic NCR5380/53c400 SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe NCR5380.o ncr_irq=xx 割り込み番号 ncr_addr=xx I/O ポート、ベースアドレス ncr_dma=xx DMA ncr_5380=1 NCR5380 のボード用 ncr_53c400=1 NCR53C400 のボード用 modprobe g_NCR5380 ncr_irq=5 ncr_addr=0x350 ncr_5380=1 - ポートが割り当てられた NCR5380 ボードの設定 modprobe g_NCR5380 ncr_irq=255 ncr_addr=0xc8000 ncr_53c400=1 - メモリが割り当てられた NCR53C400 ボード用の設定(割り込み禁止) (255 は、割り込みなしかもしくは DMA 割り込みを指定し、 254 はコマンドラインで強制的 IRQ 自動認識を指定する) ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
NCR53c406a.o
)[NCR53c406a SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe NCR53c406a.o モジュールパラメータなし ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
53c7,8xx.o
)[NCR53c7,8xx SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe 53c7,8xx.o モジュールパラメータなし カードは自動認識。BIOS がなければならない ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
ncr53c8xx.o
)[PCI-SCSI NCR538xx family support]
Load command: /sbin/modprobe ncr53c8xx.o モジュールパラメータなし
ppa.o
)[IOMEGA Parallel Port ZIP drive SCSI support]詳細は /usr/src/linux/drivers/scsi/README.ppa
を参照して下さい。
Load command: /sbin/modprobe ppa.o ppa_base=0x378 ppa_nybble=1 パラメータと機能は以下のとおり 値 デフォルト 説明 ppa_base 0x378 PPA パラレルポートのベースアドレス ppa_speed_high 1 データ転送ディレイ(μsec) ppa_speed_low 6 他の操作のディレイ(μsec) ppa_nybble 0 1 にすると強制的に 4-bit モード
pas16.o
)[PAS16 SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe pas16.o モジュールパラメータなし カードは自動認識。BIOS は必要なし。 ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
qlogicfas.o
)[Qlogic FAS SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe qlogicfas.o モジュールパラメータなし ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
qlogicisp.o
)[Qlogic ISP SCSI support]ファームウェアが必要です。
Load command: /sbin/modprobe qlogicisp.o モジュールパラメータなし ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
seagate.o
)[Seagate ST-02 and Future Domain TMC-8xx SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe seagate.o モジュールパラメータなし アドレスのみ自動認識。IRQ は 5 に固定。 BIOS が必要 ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
t128.o
)[Trantor T128/T128F/T228 SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe t128.o モジュールパラメータなし カードは自動認識。BIOS がなければならない。 ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
u14-34f.o
)[UltraStor 14F/34F support]
Load command: /sbin/modprobe u14-34f.o モジュールパラメータなし カードは自動認識。BIOS がなければならない。 ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。
ultrastor.o
)[UltraStor SCSI support]
Load command: /sbin/modprobe ultrastor.o モジュールパラメータなし ブートタイムパラメータが有効。BootPromt-HOWTO を参照のこと。